これは私が引っ越しの見積り依頼の電話受付をした時の話です。
『引っ越しの時間指定ってできますか?』との問いに、私は、もちろんできますよと答えます。
どうもよく聞いてみると、かなり時間指定が厳しいんです。
早く来てもダメ、もちろん遅れてはダメ。積み込みを始めたら、確実に1時間で作業を終えて欲しいと・・・。
ただならぬ気配が感じられたましたので、ほんとに引っ越しをお受けできるかどうか確認の意味も含めて、『差し支えなければ、ご事情を?』と聞いてみたところ、言いづらそうだったのですが、『主人が家を空ける間に、私の荷物だけ出して欲しいんです』と・・・。なるほど、それで事情が理解できました。
電話受付中の会話には、微妙なタイミングがあります。あまり遠慮なく突っ込むと、引かれてしまいますが、受ける側も、事情だけはしっかりと聞けないと、作業に支障をきたす場合があるので、うまく聞き出す会話が必要です。
今回のケースも、『じゃあ作業中にご主人さんが帰ってきた場合にはどうするのか?』など、ありとあらゆる想定をして、問題をクリアにしないといけません。当日トラックは行ったけど、引っ越しができないような場合には、キャンセル料も必要になります。
結局、私の対応に信頼いただけたのか、しっかりお話をしてもらえて問題はすべて解決。トラックの手配もしました。
当日は、なんとか事なきを得たようです。作業員曰く、家の照明1つとご主人様の衣類などを残して、家はほとんど空っぽになったそうです。帰ってこられた時はびっくりでしょうね・・・。もちろん依頼主の転居先などは、絶対に秘密であることも当初からの条件です。
どんな事情があるにせよ、犯罪のお手伝いにならない以上、ご依頼がある限り引っ越し業者は動きます。綿密な打合せの基に・・・。
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